【開講レポート】第3期リカレントプログラム「寿司」コース ― 実習満足度100%の学びの現場から
京都調理師専門学校が文部科学省事業として実施しているEdTech活用型リカレント教育プログラム。その第3期として、2025年9月から12月にかけて「寿司」分野のコースを開講しました。約3か月間のプログラムを終え、受講者・有識者委員の皆さまから多くの手応えと示唆をいただきましたので、その内容をご紹介します。
プログラムの概要
第3期プログラムは、現場で働く調理人が仕事を続けながら参加できるよう、オンライン学習と対面実習を組み合わせたハイブリッド形式で設計しました。
- 期間:2025年9月24日~12月2日(約3か月)
- 形式:オンライン学習+対面実習3回
- 総時間:20時間(13時間以上の受講で修了認定)
寿司という日本を代表する食文化を体系的に学ぶ機会は、意外にも限られています。本プログラムでは、食材の取扱いや仕込みといった基礎技術から衛生管理まで、プロとしてのスキルアップに直結する内容を凝縮しました。
数字で見る成果
最終回に参加した12名の受講者に対し、技術5項目・衛生3項目の計8項目×5段階(100点満点)で技術習得度を評価しました。
- 対面出席率:90.5%
- 全体満足度:83.3%
- 実習満足度:100%
- 認定結果:12名全員が60点以上で認定クリア(平均75.08点)
- A認定(80点以上):2名
- B認定(75点以上):4名
- C認定(60点以上):6名
特に注目すべきは、対面実習に対する満足度が100%であったことです。オンラインでの事前学習で基礎知識を身につけた上で実習に臨む「反転学習」の効果が、この数字に表れています。
有識者委員が注目したポイント
第3回第三者評価委員会では、京都の料亭やホテル、観光協会など各界の有識者から、多くの建設的なコメントをいただきました。
特に印象的だったのは、「コンテンツの価値が高く、自社の従業員にも受けさせたい」という声です。現場で実際に人材を育成している方々からこうした評価をいただけたことは、プログラムの実用性を裏付けるものといえます。
また、集客面では「寿司」や「養生・健康」といった関心を引きやすいテーマから入り、そこから食文化全体への理解へと自然に接続していく段階的なアプローチが有効ではないか、との提言もありました。
見えてきた「次の一手」
一方で、課題も明確になりました。オンラインで提供している衛生知識等の理論学習は、対面実習に比べて視聴率・完了率が伸び悩む傾向にあります。技術習得に意識が向くあまり、基盤となる理論の重要性が十分に伝わりきらないケースが見られました。
この課題に対し、委員からは「人気の高い実技コンテンツの間に理論を挟み込む構成にしてはどうか」という具体的な改善提案もいただいています。
また、「飲食業界は忙しいから学ぶ時間がない」という固定観念を過度に強調すると、かえって学習のハードルを上げてしまうという鋭い指摘もありました。近年は飲食業でも労務管理の改善が進んでいることを踏まえ、表現やプログラム設計を見直していく必要があります。
おわりに
第3期「寿司」コースは、ハイブリッド型リカレント教育の可能性を改めて実感する機会となりました。今後は受講者の「その後」——キャリアの変化や成長の軌跡——を可視化し、学びの価値をより多くの方に届けていきたいと考えています。
京都調理師専門学校のリカレント教育プログラムに関する最新情報は、本サイトにて随時お知らせいたします。